2階の造作
数日前から2階廊下に積んであった三角形の長い棒、屋根仕事の足場にでもされるのかと思っていましたら、カンナを掛けると美しい赤杉の柾目模様が現れました。
このお座敷の長押は無垢材?と思わず尋ねてしまいました。
「製材しただけの原木だが、材料で来とるから使うんやろう」と、お大工さんは黙々とカンナを掛けています。
内側には敷居に建具溝を掘るカンナで深い溝を作り、L字型長押の粗彫りのようです。
ミゾの上を電気カンナで何度も何度も往復しながら、身を削って長押の形に近づけていきます。
長押の形が完成するまでに、お大工さん9往復して削り出されました。
合板で作られた長押なら、セロハンのラッピングを剥がしたら、角と角のつなぎ合わせの加工だけで取り付けられます。
無垢材は熟練したお大工さんが一日かかっても、二部屋分のラッピングを剥がすまでいかない、材料の価値だけでなく、こうした手間のかかり具合がコストの違いを生むのだなあと知らされました。
ただ、2階部分は予算不足で造作が出来ない位のはず、丸平さんここまでして大丈夫なのかと不安に思うくらいでした。
リビング
この部屋も設計士さんには、畳が敷いてあっておこたが出来れば満足、予算が足らないときはベニヤのむき出しで結構と伝えてあったのに、70㎝弱の付板の目透かし貼りです。
5ミリの隙間を均等に開けるように、まずはアイテム作りです。
ベニヤを平行四辺形(こうすることで外すとき釘抜きが引っかかりやすい)切り、虫ピンのような極細クギを刺し隙間ストッパーが完成します。
デリケートな作業で、まるで昆虫採集の標本額を作る準備のようです。
透かし目部分には両面テープで正木目を貼り付け、天井に縦横5ミリの隙間でボンドで貼り付けられます。
わずか四畳半の天井でも熟練したお大工さん半日かかり、手間のかかる作業ですが出来上がりは想像を遙かに越えたイイ感じです。
フローリング
メイン階段の上で、昨日まで材料が山積みされていた部分がかたづけられ、貼り込み開始です。
最後に残った部分、右も左も廊下に直接付くため、短く切った板もかみ合わせ出来るように本実(ほんざね)加工が施されます。
これで、縦横の廊下ピッタシカンカンに貼り付くことでしょう、一手間かけてカッチリと堅い仕事、年数が経っても剥がれることなく安心です。
2階フローリング部分は約60坪弱、厚さ15mm巾90mm長さ1820mmのナラフローリング材、一坪貼るのに20枚必要で、およそ1200枚くらいの板が貼られました。
近年にない猛暑、たいへん暑い2階での作業お疲れさまでした。
by shoson | 2010-09-06 15:07 | 工事 | Comments(0)