
庫裡の大広間には仏間が設えます。
そこへ安置されるご本尊は京都の
『京都仏像美術社』で制作されつつあります。
粗彫りが進み、お姿が確認できるようになったと連絡が入ったので仏師さんの工房を訪れました。
親子で工房をかまえる『京都仏像美術社』で、正尊寺のご本尊本体を彫ってもらっているのは息子さんの北典生仏師さんです。

粗彫りのお立ち姿のアミダ様、こんな姿は今しか見ることができません。
仏間に安置されるときは金色の輝く姿になっています。
正尊寺のご本尊の制作を北仏師にお願いしたのは、住職と坊守がたくさんの仏師の図録を見せてもらい、正尊寺に似つかわしい優しいお顔に曳かれたからです
本堂のアミダ様は厳しいお顔です、庫裡は優しい方が良いと思ったからです。
その辺りも仏師さんにお話ししながら、色々なことを教わってきました。
このアミダ様の木地は
紅松を寄せ木して彫られているそうです。

身の丈は一尺五寸、アミダ様の頭のてっぺんまでの身長か思っていたら、仏像は足の裏から額の生え際までの高さだそうです。
知りませんでした・・・・

工房の他のブースでは、弟さんが小さな葉っぱのような物を一心に彫ってみえました

これも正尊寺ご本尊の蓮台(アミダ様が立っておられる蓮の花)の花びらだそうです
一枚一枚丁寧に彫られているようです。

仏さまの彫刻はノミと小刀だけで作り、ペーパーで仕上げることはないそうです。
ペイパーで仕上げると同じ位丁寧に薄く刃物で仕上げられていく、緻密な作業に感心しました。

蓮台の花びらは9枚の6段、54枚全てに番号が振ってあり、仕上がりが美しい花弁になるよう、全て少しずつ形を変えて彫るそうです。
多くのご門徒がこのご本尊の前でお念仏称えてもらえる、それにふさわしいご本尊のお姿になる確信を持ちつつ、仕上がりが楽しみになりました。